先日、まだ使ったことがない染料で染めた時の話。
昔から染料として使われていて、
今でも染料店で販売されているキハダ。
キハダには、防虫作用があるので重要な書類を保管するために、
紙を染めていたけれど、光によって変色しやすいために、
インジケーターの役割もしていたという古代から使われていた染料。
ミカン科キハダ属の落葉高木。
樹皮は固いコルク質で、その樹皮を取り除いた
内皮が鮮やかな黄色をしている。
この黄色い色素は少し特殊なようで、
植物繊維(綿、麻など)とも相性が良いので、
通常植物繊維のものを染める時に行う
下地処理をしなくても染まるし、
色素の発色や定着を良くするための
媒染をする必要がないとも言われている。
試しに、綿生地を下地処理はしないで染めてみることに。
媒染に関しては、本に掲載されている色見本を見ると、
媒染の種類によって色が違うので、
アルミと鉄の二つをやってみることにした。
今回染めた布は、ふきん2種類。
漂白されている綿で厚みもそこそこあるため、
そこまで染まらないかもしれないだろうと予想しつつ。
![](https://kusakino-mahou.com/wp-content/uploads/2024/02/IMG_3338-1024x847.jpeg)
キハダを煮出していると、漢方薬の匂いが漂う。
それもそのはず、キハダは漢方では黄檗(おうばく)と言って、
有名な正露丸にも入っている生薬の一つ。
煮出した液を少し味見すると、かなり苦い。
苦味は清熱、解毒などの働きがあり、
胃腸薬、整腸剤の原料として使われている。
炎症を抑える効果もあるので外用にも。
![](https://kusakino-mahou.com/wp-content/uploads/2024/02/IMG_3342-1024x790.jpeg)
どちらの液も混ぜて布を染めたところ、
染液自体はかなり鮮やかな色に見えたものの、
布にはあまり付いていない気がする・・・
染めたふきんはこんな感じに。
![](https://kusakino-mahou.com/wp-content/uploads/2024/02/IMG_3350-1024x737.jpeg)
染まりにくそうな布だったから、
まぁこんなものかなと思いつつ、
やっぱり下地処理した方がもっと濃く染まるんじゃないかと。
今回は、別に濃い色にしなくて良いのでこれはこれで良しとして。
次回綿をキハダで染める時には、下地処理をしてみようと思った。
今回キハダを染めて感じたのが、
一般的にこうだと言われていることも、
一度は自分でやってみて確かめることが大事なことだと。
そんなの当たり前だと言われているようなことも、
あえてやってみると新たな気づきがあるかもしれない。
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