草木染めは大雑把にやっても染まるし、
丁寧にやっても思ったほど染まらないこともある。
特に綿や麻などの植物繊維に対して。
私がよく染めるのは綿素材。
そのままだと植物染料と相性が悪いことが多い。
大前提として、草木染めは化学反応の一つ。
なんて大袈裟に表現してみたけれど、
料理もお菓子作りも化学反応が起こっていると思えば、なんてことはなく。
例えば、日常生活で掃除をする時に、
どんな汚れでどんな性質を持っているから、
その汚れを落とすには何を使うのかを考える。
これと同じような考え方を草木染めでも。
少し話は逸れるけれど、
日本で藍染めが流行った理由の一つとして、
綿や麻などを濃く染めることができたからだと考えられている。
そもそも綿や麻はセルロースが沢山繋がってできているから、
染料とくっつくパターンが限られているし、
植物染料はマイナスの電荷を持った色素が多いので、
マイナスの電荷を持っている綿や麻にはくっつくことが難しい。
色素と繊維がくっつくためには、何かしらの結合をする必要がある。
そのために先人は、
どうやったら綿や麻が染まるのかと試していたんだと思う。
染料の抽出方法もさることながら、
実は下地処理をするかしないかなどで染まりが変わってくる。
草木染めのやり方を調べると、
豆乳を繊維に付けて染める方法が多いように思う。
私はその時々で、豆乳、染料店で売っている濃染剤、ごくたまにタンニンを使って下地処理をしている。
濃染剤 タンニン
上の写真は、枇杷の枝葉で染めたさらしで、
それぞれ下地処理の方法が異なっている。
写真の色味が分かりにくいけれど、
下地処理に濃染剤を使った場合は青みの入ったピンクに。
タンニン下地はサーモンピンクに。
草木染めの参考本として、
絵本のわりに文字や内容がぎっしり書いてあるこの本がお薦め。
余談になるけれど、
枇杷の木が1本家にあると良いという。
ビワは医者いらずという言葉があるぐらい。
枇杷の葉はお茶にしたり、お灸に使ったり、
アルコールにつけてチンキにして湿布にしたり、
うがい薬にするなど色々と活用方法がある。
今年は大量にビワの実をもらったので、
皮ごとホワイトリカーに浸けている。
初めて作るビワ酒。
杏仁の香りがしていかにも美味しそう。
そろそろ飲んでみようと思う。
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