沈殿藍で染める手作りの楽しみ方と、藍染めの魅力

今年は、藍を使った染め方に少しだけ詳しくなった気がします。
やってみようと思っていた沈殿藍を作って、
ブドウ糖を使って藍建てに挑戦しました。

その話の前に、
まずは簡単に藍についてと、
藍染めって何なのか、どうやって染めているのかについて触れておきます。

藍について

藍というのは一つの植物の名前ではなくて、
インジカンを含んでいる植物をまとめて、藍と言います。

本州で育つのは、蓼藍(たであい)というタデ科の植物。
沖縄では琉球藍(キツネノマゴ科)、
インドではインド藍(マメ科)、
ヨーロッパではウォード(アブラナ科)など植物種は異なります。

藍の色素変化

簡単に図にまとめてみました。
生の葉にはインジカンというものが存在していますが、
葉に傷が付いたり、
乾燥した状態になると、
青い色素であるインジゴに変化します。
ただし、インジゴの状態では水に溶けないので、
そのままでは染めることができません。

藍を建てる方法

染める状態にするには、
インジゴを還元してロイコ体インジゴという
水に溶ける状態にする必要があります。

この溶ける状態にすることを、
「建てる」と言います。
還元する働きを持っている微生物が、
発酵することによって染める方法(発酵建て)と、
還元する働きを持っている化学物質を使う方法(化学建て)があります。

本州で伝統的な染め方は、
藍の葉を発酵させて蒅(すくも)という状態にしてから
発酵させる方法です。
蒅という状態にすると、
インジゴ色素が沢山含まれて、
濃い青を染めることができます。

但し、蒅を作るためには3ヶ月以上かかり、
時間も手間も経験、技術が必要です。

インドなどでは、
沈殿藍の状態にして染めます。
沈殿藍も蒅と同じくインジゴ色素を凝縮して、
保存ができるやり方です。
沈殿藍を作るには、
外気温が低いと失敗する可能性が高くなるので、
本州では、7月〜9月中旬頃を目安に作ります。

沈殿藍の作り方

それでは、
沈殿藍の作り方を順を追って説明しましょう。
まずは、藍草を刈り取ります。
できるだけたっぷりと。1kg以上。
軽く藍草を水洗いしたら、
大きめの容器に入れて、
重石を置き、藍草が隠れるぐらい水を入れます。
(できたら汲み置きの水などを使って塩素がないことが望ましい。)

このまま容器の上に蓋を乗せて、2〜3日間放置します。
時々様子を見ながら、
水面に紫色の膜が出てきたら、次の工程に移ります。

ここから藍草を取り除いて、液は一度ザルで漉します。
しかし、なかなかにこの液が臭いのです。
匂いに耐えながら濾したら、
消石灰を加えます。
色々な本を見ましたが、恐らく6.5g/L程度。
pH12ぐらいになるでしょうか。

その後、液に酸素を含ませるようにひたすら混ぜます。
そうすると、酸化して青くなっていきます。

少し泡立ちが落ち着いてきたら、
混ぜるのをやめて一晩静置します。

それを細かい濾し布やフィルターで濾して、
布に残った青いもの(インジゴ)を集めてボトルに保存します。

この工程が一番難しいかもしれません。
インジゴの粒子がある程度大きくなっていないと、
濾しても、色素が水と共に流れていくからです。
その場合は、もう少し放置しておくと良いかもしれません。
出来上がりはこんな感じです。

これを長期間保存する場合には、
ポリ容器やペットボトルが良いと思います。
ガラス瓶に強アルカリのものを保存すると、
ガラスが溶ける可能性があるので。
短時間とりあえず入れておくために使いました。

ちなみにこのまま水に溶かしても
染めることはできません。
発酵させるか、化学的に還元させる必要があります。

ブドウ糖で還元させて染めてみました。

沈殿藍作りや藍染めに関しては、
まだまだ人に教えるほどではないので、
これからもっと開拓していきたいです。

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