南天の木というと何を思い浮かべるでしょう。
難を転じて福となるという語呂合わせもある縁起の良い植物。
赤い実がなるお正月に飾るものぐらいでしょうか。
家の庭には、南天の木が3ヶ所密集している所があり、
切っても切っても束になってどんどん出てくる。
中国から日本にやってきた南天は、
中国では南天竹という呼び名もあったようで、
株立ちする姿が竹のようだったからなのだとか。
その生命力の強さにも驚くけれど、
もう一つ驚いたのは、樹皮を剥くと中が黄色い。
黄色のインクを誰かが塗ったかのよう。
去年は剪定することにしか余裕がなかったけれど、今回はこれを染め物に使ってみることに。
早速選定したその日のうちに、樹皮を鉈で剥いてみるもののなかなか量が集まらない。
鉛筆の削りカスのよう。
ちなみに南天には、全草に弱い毒が含まれていて、
赤い実の部分には特に強い毒があるのだと。
でも、鳥はこの実を好んで食べに来る。
面白いのが全部の実を一気に食べられないように、
胸焼けする成分を含んでいるんだそう。
人にとっては、鎮咳、鎮痛、殺菌薬に使われたりもするので、
少量では薬になり、多量では毒になるということ。
それはさておき、削った樹皮を集めて水を入れると、すぐに黄色の色水になった。
この黄色の色素は水に溶けやすい。
これをしばらくコトコトと煮出していると、ゴボウのような独特な匂いが漂ってきた。
できたての染液に少量の毛糸を投入すると、
予想を裏切らない黄色になったので、ついでにさらしも染めてみた。
量が少なめだったのもあってか、控えめな色に。
南天で染めるたら、福が来るかもしれないですよ(笑)
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