通常柿渋を作る場合には、何年か寝かせておきますが、
今回は、生の青柿を砕いて絞っただけの液ですぐに染めてみました。
柿渋についての記事はこちら↓
草木染めの本にはそのやり方が載っていたので、
いつかはやろうと思っていました。
去年は、柿渋を作ってみたので、
今年は初挑戦の絞っただけの柿渋染め。
参考にした本はこちら↓
柿渋染めについて
柿渋染めは、
草木染めの中でも少し特殊な染め方。
煮出して染める必要もなくて、
空気で酸化させると徐々に色が濃くなってくるため、
媒染をしなくても染めることができます。
通常染めにくい、綿や麻などの植物繊維も下地処理をする必要がないという手軽さ。
染める方法自体は手軽だけれど、
柿渋染めを試してみた結果、
一回柿渋に付けて乾かしただけだと色が薄いので、
時間をかけてゆっくり酸化させる必要があります。
早く発色させるためには、
何度か柿渋につけて乾かす工程を繰り返すか、
媒染(色みも変化)することです。
柿渋は元々染料というよりは、
建具、籠、和紙、桶、傘、漁網など、
防腐、防水、補強のために使われていたようです。
染料として使うとなると、
酸化させて被膜になる性質があるので、
布が硬くなってしまいます。
それをある程度防ぐために、染める度に水洗いをする方法があります。
柿渋染めの色は?
そして、もう一つメリットにもデメリットにもなることが。
それは色みの問題。
そもそも柿渋染めって何色になるの?
と思う方もいるかと思いますが、
柿渋染めで染まるのは茶系の色。
人によっては、渋い色が魅力的に思うかもしれませんが、
人によっては、地味な色だと思うかもしれません。
茶系の色に染まりますが、
媒染を使うと色を変化させることができます。
例えば、鉄を使うと、
黒みが強くなって、茶というよりは灰色に。
チタンを使うと、オレンジががかった茶色になるようです。
金属以外にも、石灰やソーダ灰、重曹などのアルカリを使う場合もあります。
個人的には渋い色合いの鞄が欲しかったので、
生成りのサコッシュを染めてみることにしました。
柿渋染めのやり方
それではやり方です。
青柿を適当な大きさに切って、
水を適量入れて、ミキサーにかけます。
細かくなった柿をサラシで濾して、
液を絞り出します。
絞り出した液は緑色。
この緑色の液に、
あらかじめお湯に浸けておいたサコッシュを入れて、
全体的に渋が付くように動かしながら染めていきます。
これをそのままぎゅっと絞って(できたら洗濯機で軽く脱水)
外の風通しの良いところに干します。
これを乾燥させて、
今回は石灰水を媒染として使いました。
すると、色がどんどん変わってきました。
石灰水から取り出したら、水洗いします。
脱水したら外に干します。
このまま一晩干しておきました。
干している間に色が変わっていました。
一つ反省点があって、洗濯バサミで挟んでいるところには、
しっかり挟んだ跡が付いていたこと。
干す時には、
こまめに向きを変えたり、挟むものも注意した方が良いです。
それでもムラになっているのが味があって、
模様を付けなくてもムラが模様のようで、それはそれで良しとします。
柿渋染めは酸化することによって、
発色していくので、一気に染めるよりは
色を見ながら重ねていくのが良いかもしれません。
Youtubeで動画を作ってみたので、時間のある方は見てみてくださいね。
そして、青柿が手に入ったら、
柿渋染めをやってみると楽しいかもしれません。
発酵させて柿渋にしても、色んな使い道があるのでぜひ。
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