草木染めでは、なかなか染められない色があります。
それは緑色。特に綿や麻などの植物繊維。
緑といえば、植物の中に沢山含まれていると思われるかもしれませんが、
植物の細胞から出ると色素が分解します。
緑の色素は、理科の時間に習ったクロロフィル。
クロロフィルといえば、光合成。
光合成をすることによってエネルギーを作り出すということは、
植物に必要不可欠なもの。
緑染め(方法1)
クロロフィルの特徴は、
水に溶けずにアルコールや有機溶媒、油などに溶ける性質。
ということは、水で煮出して染める方法は向いていない色素なのでは・・・
なんて書きましたが、
実はこの色素を研究した染色工芸家の山崎青樹さんが緑に染める方法を本にしているのです。
緑色に染めるやり方を簡単に説明すると、
植物をなるべく細かく切って、アルカリ水で何度も抽出し、
最初の方の染液には、黄色や茶色の色素が出てくるので、
それが緑色の色素が出てくるまで何度も抽出して、
黄色や茶色の色素があまり含まれていない染液で染めるというやり方です。
ただ、時間も手間もかなりかかるし、
植物の状態にも左右されるので100%緑色にすることは難しいです。
少なくとも、今の私にはその技量が足りていません。
緑染め(方法2)
他に方法は無いのかというと、
一般的には、
藍染の青と黄色に染まる染料の2種類を使います。
ただ、自分にとっては、染め物の中でも藍染はハードルが高いのです。
緑染め(方法3)
上の方法二つ以外にないのかと検索していたところ、
黄色と青の色素が含まれている植物があるそうで、
その一つにパンジー(ビオラ)の花から緑染めができるという情報を見つけました。
実は数年前に、この情報を見つけてから、
ビオラを集めて緑染めをやってみたところ、
緑に染めることができませんでした。
その時の記事はこちら
そもそもビオラで集めようとすると、
量が集まらなかったので、去年からパンジーを植えて地道に集めていました。
前回ビオラで染めた時の経験から、
今回は煮出す時間は短くしようと思いながら、
冷凍していたパンジーに熱湯をかけて、
そのまま5分ほど煮出したところで、
染液の色が紫なのか灰色なのかよく分からない色になったので、
慌てて煮出すのをやめました。
これは失敗したんじゃないか・・・
こんな液で緑に染まるのか・・・
もうほぼその時点で諦めながら染めてみましたが。
染めながら色がどんどん変化していく。
この後、銅媒染をしてみると、色がパッと変化。
ということで、パンジーで緑色に染めることができました。
私の住んでいる地域の花壇には、必ずと言って良いほど
パンジーが植えられています。
以前は、パンジー以外に植えるものはないのかと思っていましたが、
パンジーを見る目が少し変わった気がします。
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